キャッシングや消費者金融の利用により後が無くなってしまったときの選択肢として、自己破産があります。
自己破産をすると、借金の支払いが免除になるなどの理由から、自己破産を選択する方も少なくありません。
そんな借金の最終手段的な自己破産ですが、「クレジットカード現金化を利用していた場合は自己破産できないのか?」不安に思う声も挙がっています。
ID非公開さん2020/6/4 14:47:50
クレジットカード現金化をすると自己破産できなくなるって本当ですか?それとも、自己破産できる場合もあるのでしょうか?
法律に詳しい方いらっしゃいましたら、お答えいただけると幸いです。
引用元:クレジットカード現金化をすると自己破産できなくなるって本当ですか?それ... - Yahoo!知恵袋
たしかに、借金を抱えている方でクレジットカード現金化を利用する方は多いので、気になる方も少なくないでしょう。
しかし、結論としては、クレジットカード現金化をしても絶対に自己破産できないわけではありません。
ただし、自己破産できない可能性もあるので、注意が必要です。
そんなわけでこちらでは、クレジットカード現金化を利用しても自己破産できるのか?詳しく解説しています。
5分くらいでサクッと読める内容になっておりますので、ぜひ不安解消のご参考にしてくださいね。
もくじ
クレジットカード現金化すると自己破産できない可能性がある理由とは?
前述したとおり、自己破産は借金が免除される手段のひとつですが、すべてのケースに適用されるわけではありません。
自己破産は、「裁判所に免責許可決定を受ける」ことで初めて適用されます。
しかしながら、クレジットカード現金化は免責許可を受けられない可能性があるんです。
それはなぜなのでしょうか?
免責不許可事由に該当する可能性がある
裁判所が免責許可決定を下すには、「免責不許可事由に該当しないこと」が条件にあります。
しかしながら、クレジットカード現金化は免責不許可事由に該当してしまうんです。
次の資料は、自己破産の免責不許可事由について書かれた条文になります。
第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
引用元:破産法
この条文の3行目にある「著しく不利益な条件で債務を負担」がクレジットカード現金化に該当します。
クレジットカード現金化をしても自己破産できないわけではない!【専門家の見解】
とはいっても、自己破産できない可能性があるというだけで、実際には破産できるケースが多いんです。
ここで、「クレジットカード現金化をすると自己破産は出来なくなるのか?」弁護士どっとこむに掲載された弁護士の方の回答をご紹介します。
Q. ギャンブルが原因の自己破産について
離婚協議中の夫が自己破産をすると言っておりますが、借金の原因がギャンブルです。銀行の口座からテレボートとの名目で競艇に賭けており、また、クレジットカードの現金化もしております。
この状態で自己破産は可能なのでしょうか。A. みんなの回答(伏見 宗弘 弁護士)
ギャンブルでできた借金がある場合は、
「免責不許可事由」といって、
法律上破産を認めない理由が存在するおそれがありますので、
破産できない可能性があります。ただ、ギャンブルでできた借金があるとしても、
調査役の弁護士(破産管財人といいます)に真摯に協力して、
反省と謝罪の意を見せれば、
多くの場合、破産させてもらえます。そのため、自己破産が可能かどうかという質問に対しては、
可能性は高い、という回答になります。
引用元:[借金]ギャンブルが原因の自己破産について - 弁護士ドットコム
つまり、裁判所や弁護士に対して真摯に反省の態度を見せることで、自己破産できる可能性は大いにあるということです。
ただし、裁判所や弁護士に嘘をつくようなことがあると自己破産できなくなるとも取れますので、真摯な対応を心がけるのが無難でしょう。
クレジットカード現金化で自己破産できないときの3つの選択肢
とはいっても、「もしも自己破産できなくなったらどうすればいいのか?」不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこちらでは、クレジットカード現金化で自己破産できなくなったときの3つの選択肢についてご紹介します。
- 個人再生
- 任意整理
- 特定調停
個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てをすることで、借金を大幅に減額してもらうための手続きのことです。
具体的には、借金の額を「5分の1程度から、最大10分の1まで」減額できます。
また、借金を減額してもらえるだけでなく、減額された借金を3年から5年の長期分割払いにできるんです。
個人再生するための条件は民事再生法にありますが、ハードルはそこまで高くありません。
第二百二十一条 個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が五千万円を超えないものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「小規模個人再生」という。)を行うことを求めることができる。
引用元:民事再生法
このように、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある」「債務の額が5,000万円を超えない」など条件が難しくない上に、メリットが大きいため、個人再生を選ぶ方がほとんどです。
任意整理
任意整理とは、弁護士が債権者と交渉し、借金を減額してもらう手続きです。
個人再生のように裁判が行われるわけではないため、柔軟な対応が可能になります。
ただし、あくまでも任意整理は裁判外の交渉であることから、強制力がありません。
そのため、債権者が交渉に応じない場合はいつまで経っても借金が解消されないというデメリットがあります。
特定調停
特定調停とは、裁判所が債権者と債務者の間に入って話し合いを調整する手続きです。
裁判所に特定調停を申し立てることで、債権者は直接の取立てができなくなるといったメリットがあります。
ただし、任意整理と同じく、債権者との話し合いによる解決になるため、債権者の合意が得られない可能性が高いです。
クレジットカード現金化すると自己破産できない?まとめ
結論としては、クレジットカード現金化をしても自己破産ができる場合が多いでしょう。
しかし、裁判所や弁護士に虚偽の申告をしてしまうと高い確率で自己破産できなくなるのでご注意ください。
また、もしも自己破産できなくなった場合でも、個人再生をすることで借金を減額できるため、焦る必要はないでしょう。
とはいえ、本来はあとがなくなるまで借金をしないことがベストですよね。
そのため、クレジットカード現金化を利用するときは大幅に手数料を取るような業者は使わないことが賢明でしょう。
手数料を安く済ませられれば、自己破産できなくなるほど借金を作ることもなくなります。
参考までに、手数料の安い業者をこちらでご紹介しておりますので、現金化をご利用の際はぜひご覧くださいね